日本語教育の基準化「日本語教育の推進に関する基本方針(案)」 法務省パブリックコメントから(令和2年4月3日~4月24日まで)
法務省パブリックコメントから、「日本語教育の推進に関する基本方針」(案)に関する意見募集の実施についてが、令和2年4月3日~4月24日の間に意見募集を行っております。
ご意見のある方は、是非この機会にご意見を投稿下さい。
日本に在留している外国人、これから在留する予定のある外国人に対して、トラブルのない円滑な共生社会を築いていくためには、日本語教育を推進していく必要があるということで、総合的な方針で進めていくのかという内容が書かれております。
弊事務所は、特に日本語教育機関(日本語学校)に直接関係している、内容を抜粋してご紹介したいと思います。
イ 外国人留学生等に対する日本語教育
在留資格「留学」により、我が国に在住する外国人留学生(以下「留学 生」という。)は約 33.7 万人(平成 30 年末)3となっており,増加傾向にある。留学生は、留学を通して高度な知識・技能を身に付けた専門性を有する人材であり、日本の社会や文化への理解も深まっていることから、留学を終えた後の日本国内への定着・活躍が期待される。
留学生のうち、日本国内での就職や研究を希望する者がその希望を叶えて活躍することができるよう、職場等において円滑に意思疎通を図り、日常生活を送るために必要な日本語能力のほか,業務に必要な日本語能力の習得等の留学生に対する支援の充実のために必要な施策を講じる。
留学生として入学した生徒は、生徒自身が叶えたい夢を日本で叶えることで、超高齢化社会の日本にとっては、日本社会を支えてくれる希望になります。お互いにとって、またビジネスとしてもWin-Winの関係となります。
すべての留学生がWin-Winの対象になるかは、悪質な仲介業者からの紹介ではないことや、経費支弁に無理のある状況でないことが前提となります。彼らの明るい将来のために信用できる関係者とのネットワークづくりや、証明書類の精査は経営者にとっては重要な役目になると考えられます。
留学生に対する支援の充実例
留学生に対する支援の充実を図るための具体的な例も記載されています。
【具体的施策例】
- ・大学が企業等と連携し、留学生が我が国での就職に必要なスキルである「ビジネス日本語」等を在学中から身に付ける教育プログラムを文部科学省が認定し、留学生の国内企業等への就職につなげる仕組みを全国展開する。
- ・専修学校が日本語教育機関及び産業界等との連携によって留学生への日本語教育や卒業後の国内定着の支援等を行う、留学生受入れモデルの構築を推進・支援する。
- ・企業から採用内定を得た外国人留学生等に対して、職場において円滑に定着するために必要なコミュニケーション能力の向上や日本の雇用慣行、労働関係法令、企業文化等コミュニケーションを行う上で前提となる知識の習得を目的とした研修を実施する。
- ・留学生を含む外国人等の日本語教育環境を強化するため、都道府県及び指定都市が行う地域日本語教育の総合的な体制づくりを推進する。また、留学生を含む外国人等に対する地域における日本語の学習機会を確保する取組及び先進的取組を支援する。
例ではあるのですが、「ビジネス日本語」の教育プログラムは、大学が企業と連携してという内容から、日本語学校では、あまりこういった教育プログラムは推奨されていないのか?と受け取ることもできます。
日本語教育機関としては、専修学校との連携で、国内定着のための日本語教育を行う支援をするという内容については、実際に設定は、基準コースではなく、基準対象外コースの設定となります。
地域在住の外国人に対しても、円滑な共生社会を築くために、日本語を学習する機会の体制づくりのひとつとして、日本語教育機関の協力が可能ではないかと考えられますが、日本語教育機関は、留学ビザの留学生に、日本語教育を提供することが役目となりますので、地域への援助が多くなりすぎて、学校運営が回らなくなる、また、残業が多くなりすぎてしまうのは、現在たいへんな問題となっているので、本業とのバランスを考えなければならないと思います。
この他にも、パブリックコメント内のご紹介をまだまだ行いたいですが、次回にしたいと思います。