日本語学校設立~ハードルの高さ~
こんにちは。井上 駿佑です。
さて、私は日本語学校の設立に関してのハードルの高さについて、お伝えしたいと思います。
【日本語学校設立の要件】日本語学校の設立に係る2つのハードル
ざっくり上げると日本語学校の要件としては、下記の2つがキモです。
- 開校1年前の時点で校地と校舎を申請者名義で自己所有している必要があること。
- 校長、主任教員等の教師陣を確保すること。
校地校舎のハード面に関しては、長年培ってきた弊所の経験で万全を期した状態で、申請に臨むことが可能です。しかし、最も重要なのはソフト面である設置代表者、校長、主任教員です。
日本語学校設立の流れ
- 管轄の入管へ申請書類を提出。
- 入管による校地校舎、設備等の実地調査。
- 日本語学校の経営者や教員、大学教授等の有識者による文科省主催のヒアリング。
- ヒアリングで日本語学校としての告示基準に相当すれば、告示相当の結果となり、生徒さんの招聘、開校の準備へと進みます。
【日本語学校設立の山場】文科省のヒアリング
このヒアリングが最大の山場であり、全てです。ヒアリングには設置代表者もしくは経営担当役員、校長、主任教員が出席します。質問の中身としては、
- 設立の経緯、なぜ日本語学校をつくろうと思ったのか。
- 理念、どんな人材を育成したいか、どんな教育機関でありたいか。
- どんなカリキュラムで、到達目標はどの程度なのか。
- どんな教授法やエビデンスを持って、その到達目標を達成させるのか。
などなど、設置者には理念と熱意、経営経験を。校長及び主任教員については、教育者としての理念、経験、実績等が問われます。
この文科省のヒアリングには弊所が出席することができません。
ヒアリングの練習は必須
ですので、弊所では今までのヒアリングの傾向から想定質問集を作成し、予めヒアリング出席者の方に回答を頂き、ヒアリング練習を繰り返します。このヒアリング練習を行うことで、想定された質問に関しては問題なく答えることができるようになります。
しかし、ヒアリングでは当然1つの質問から更に派生する質問や想定外の質問も問われます。そういった質問には校長と主任教員の今まで培ってきた経験からしか、対応することができません。
当然、設置代表者と校長・主任教員の間に意見の相違があるなど論外です。明確な設立趣旨、理念をベースに意思統一を図る必要があります。ヒアリングで有識者に告示基準に相当しないと判断されてしまうが最後、告示基準不相当とされ、開校ができなくなります。
上記のとおり、日本語学校の申請で一番大事なものはソフト面である、設置代表者、校長、主任教員です。
私共では書類の作成からヒアリング練習までを通し、申請をお手伝いすることが可能ですが、それはあくまでもサポートです。ヒアリングでは自身が持つ熱意、人格、理念、経験が判断基準となります。
まとめ
建物がある、土地がある、余っている資産を有効活用したいということで、日本語学校の設立を検討されている方も少なくありません。
しかし、そういった方には日本語学校の設立はおすすめしません。
明確な設立の意思がないと、ヒアリングを通過するのは困難ですし、私共も熱意ある方のお手伝いをしたいと思っています。また、何より日本語学校は教育機関であり、人材育成の場だからです。
次回は日本語学校の教員選任の際の注意点についてお伝えしたいと思います。